雨にも負けて、風にも負けて生活している、まさやです。
いきなりですが、インスタント味噌も含めて、あなたは、お味噌汁を週に何回飲みますか?
日本食が海外で注目されている現代では、お味噌汁の健康効果や日本食が栄養学や医学の面からも日本国内でも見直されています。
そこで、この記事では、お味噌汁の7つの健康効果と具材の栄養について紹介していきます。筆者は大学で分子生物学を学び、ドラッグストアに就業しながら、薬・栄養の情報を12年勉強しており、月間10本以上、年間120本の論文を読んでいます。その知識・経験を踏まえて解説してきます。(最近は月間20本に増えてきました!)
ぜひ、最後まで読んでください!
お味噌汁の7つの健康効果
「味噌は医者いらず」「医者に金を払うよりも、味噌屋に払え」などと味噌と健康に関することわざがあるほど、
味噌は健康食として有名です。では、味噌汁には、どんな効果が期待できるのでしょうか?健康効果を紹介していきます。
美白効果
米こうじによる美白効果
できてしまったシミを隠すのではなく、からだの中から、シミができにくくように対策をすることが重要です。
ですので、お味噌汁で、シミをできにくくする対策ができれば、無理なく続けられそうですね。
また、味噌の原料となる米こうじには、米こうじの割合が高い味噌ほど、シミの原因になるメラニンの生成を抑え、シミ予防の効果が期待できる結果が2014年6月1日 発酵未来研究所と前田憲寿教授による共同研究「米糀味噌汁摂取による顔面しみの改善効果 Improvement effect of the pigmented spots of the face by the intake of the miso suop」より示されています。
お味噌汁に含まれるリノール酸の美白効果
また、味噌の中には、これがメラニンの合成を抑える効果が期待されている「遊離リノール酸」という物質が含まれていることも特徴の1つです。
この遊離リノール酸は、シミの原因となるメラニンを生成するのに必要なチロシナーゼのはたらきを阻止します。そのため、遊離リノール酸のおかげでシミはできない、というわけ。
その過程が遊離リノール酸が生成される過程で何が重要かというと、リノール酸を含んだ食品を発酵することです。そして、発酵されることで、リノール酸より吸収されやすい形の遊離リノール酸に変形されて生成されます。
また、原料となるリノール酸は、必須脂肪酸のひとつです。例えば、お米、大豆や味噌に含まれています。すなわち、リノール酸や遊離リノール酸と呼ばれる成分は体内で生成されないです。そのため、食事から取る必要があります。
保湿効果
また、1 杯の160ccの信州みそを使った味噌汁を2週間お味噌汁を飲み続けた女性の頬を調べたところ、頬の角質水分量が増加した結果が得られたことも示されています。
アンチエイジング
抗酸化とは?
若々しさを保つアンチエイジングは抗酸化物質を摂取することで促進できます。
つまり、抗酸化とは活性酸素と呼ばれる体を酸素でサビさせる悪い成分を除去することです。そして、この活性酸素が血管や内臓の細胞を酸化して、サビを発生させることで「老化」が起こります。すなわち活性酸素の働きをとめることが老化を止めることで、アンチエイジング効果です。
また、お味噌汁に含まれる栄養には抗酸化作用があるものが多くあります。その抗酸化作用によって、老化を防ぎ、アンチエイジングに効果が期待できます。
お味噌汁に含まれる抗酸化成分
味噌の原料の大豆に含まれている抗酸化作用がある成分は以下の3つです。
・ビタミンE
・サポニン
・イソフラボン
また、大豆を発酵させた食品の方が抗酸化作用が大きいという研究結果が大豆イソフラボンにはあります。そのため発酵食品である味噌には、大豆そのまま食べるより、豊富な抗酸化作用が期待されています。
味噌, 納豆,テンペなどは蒸煮大豆に較べて極めて高い抗酸化活性を示した 。
「大 豆 発 酵 食 品 にお け るo-ジ ヒドロキシイソフ ラボ ンの 形 成 とその抗 酸 化 的 役 割」、2002年 江崎 秀男 ・川岸 舜朗
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan1988/97/1/97_1_39/_pdf/-char/ja
また、サポニンと呼ばれる成分には、抗酸化作用が示唆されています。加齢や活性酸素と呼ばれる体に悪い成分によって、避けられないのは体内がサビていくことです。なので、サポニンにはこの動脈硬化と老化を予防して、アンチエイジングが期待できるといわれています。
睡眠改善
味噌汁の具材を変えるとバリエーションが豊富にできます。最近では、温かい・冷たい、和風だけではなく、洋風、韓国風、中華風とアレンジが広がっています。出汁を変えると、風味も変わり、毎日、飽きずに食べられます。さらには、具材を入れて煮たり、具をレンジでチンして、熱湯をそそいだりするだけなので、誰でも簡単につくれます。
下表を見るとわかるように、トリプトファンは、大豆に多く含まれ、大豆を原料とした味噌には、特に多く含まれています。
食品名 | トリプトファン(mg/100g) |
米みそ/甘みそ | 120 |
米みそ/淡色辛みそ | 140 |
米みそ/赤色辛みそ | 120 |
麦みそ | 83 |
豆みそ | 130 |
大豆 | 210 |
豆腐 | 100 |
納豆 | 250 |
ごま | 360 |
かつお | 310 |
牛レバー | 290 |
卵 | 190 |
プロセスチーズ | 300 |
ダイエット
例えば、肉や魚、味噌に含まれているロイシン、イソロイシンと呼ばれる必須アミノ酸(別名:BCAA)には筋肉の生成を促す効果と筋肉分解を抑制する効果があります。
例えば、筋肉量が増えた場合、エネルギー消費量がより多くの筋肉を動かすために増えます。
そうすると、「基礎代謝量」と呼ばれる安静時のエネルギー消費量も増えます。
なぜなら、筋肉も脳や心臓などが活動ているのと同じで、安静時に絶えずエネルギーを消費するからです。
疲労回復
、ロイシン、イソロイシンを摂取。運動すると効果的に筋肉がつくだけではなく、翌日の疲労も軽減が期待できます。
その他の BCAA の機能として,BCAA が骨格筋のタンパク質合成を強く促進することと関係すると思われる が,運動前に 5 g 程度の BCAA を摂取すると,運動中の 筋タンパク質の分解を抑制することが示唆されており,運動の翌日以降に発生する筋肉痛(遅発性筋肉痛) を軽減することも明らかにされている
分岐鎖アミノ酸代謝の調節機構 下 村 吉 治
Clofibrate treatment promotes branched102 日本栄養・食糧学会誌 第 65 巻 第 3 号(2012)
食品名 | イソロイシン(mg/100g) | ロイシン(mg/100g) |
米みそ/甘みそ | 480 | 830 |
米みそ/淡色辛みそ | 640 | 1000 |
米みそ/赤色辛みそ | 680 | 1100 |
麦みそ | 450 | 730 |
豆みそ | 830 | 1300 |
玄米 | 110 | 230 |
白米 | 93 | 190 |
発芽玄米 | 120 | 250 |
かつお | 1100 | 1800 |
かつお節 | 3600 | 5900 |
まぐろ | 1200 | 2000 |
牛肉(和牛ロース) | 760 | 1400 |
卵(鶏卵) | 660 | 1100 |
体温を上げることで基礎代謝が上がり、太りにくい体になることもダイエットを助けます。
厚生労働省 運動の基礎科学 基礎代謝に影響する要因 より
がん予防
1.胃がん
国立がんセンター研究所が発表した『みそ汁を飲む頻度と胃がんの死亡率との関係』によると、「味噌汁を飲む人と飲まない人の死亡率には、男女とも差がありました。
1981年に、国立がんセンター研究所の平山雄博士によって発表された『みそ汁を飲む頻度と胃がんの死亡率との関係』の調査結果です。
おみそ汁を飲む人と飲まない人の死亡率には明らかな差があり男女ともに、おみそ汁摂取頻度が高くなるほど、胃がんの死亡率が低くなることがわかったのです。とくに男性では、全く飲まない人の胃がんによる死亡率は、毎日飲む人に比べて1.5倍も高くなるというものでした。さらに5歳ごとの年齢別でも、男女ともほとんどの年齢層で毎日摂取者の胃がん死亡率が低いことも認められました。
出典:みそ健康づくり委員会(1999)『みそを知る』
※研究成果は、みそ全般のことを指し、特定の商品の効能効果を暗示させるものではございません。
2.乳がん
厚生労働省研究班「多目的コホート研究(2003)」が、4県14市町村に暮らす40~59歳の2万人を超える女性を対象に、味噌汁や豆腐、納豆などの大豆製品の摂取量と乳がんの発生率の関係を10 年間にわたって調査したところ、以下のような結果が報告されました。
図の縦軸は乳がんのなりやすさを示しています。食べる量の一番少ない人をとして、それ以上食べる人が何倍乳がんになりやすいかを示しました。たとえば1日3杯以上みそ汁を飲む人達で乳がんの発生率が0.6倍、つまり40%減少しているということになります。
日本における大豆、イソフラボン、乳がんリスクの関係 国立がん研究センターがん予防・検診研究センター
https://epi.ncc.go.jp/files/01_jphc/outcome/jphc_outcome_d_009.pdf
免疫力アップ
なぜ、腸と免疫が関係しているのか、よくわからないな…
免疫機能を担う免疫細胞は、約70%が腸内に存在して、免疫の要となっているからです。
免疫力も低下の原因の1つとして、腸内環境が乱れていることが挙げられるほどです。
腸内環境を整えることが、免疫力を高め、免疫細胞の働きを良くする重要なポイントです。さらに、味噌汁の具を工夫する野菜やきのこ類、海藻など、免疫細胞の強化が期待できるビタミン類やミネラルを含んでいるものを摂取できます。
免疫の低下は病気が発症する原因となるので、気をつけましょう。
生活習慣病予防
レシチンの健康効果
レシチンへの期待は、コレステロールに対して乳化と呼ばれる作用の効果です。乳化されたコレステロールを肝臓へと運び、排泄できるようにします。それにより、動脈硬化を予防する効果が期待されています。
また、体内の細胞が常な働き続けられるように、次々に新しい細胞が生まれるための働きをしています。血管を強くして高血圧を防いだり、神経伝達物質を生成することにより、脳を活性化して認知症の予防にも効果が期待されています。
味噌の原料の大豆には「レシチン」が含まれ、コレステロールを低下させる効果があります。
(2001 Robert J. Nicolosiほか、2010 Amouni Mohamed Mouradほか)
サポニンの健康効果
期待されているのは、サポニンです。洗剤と水で油脂を浮かすような効果です。サポニンは、血液中のコレステロールや中性脂肪などの余分な脂質を洗い流してくれると期待されています。そのため、コレステロールや中性脂肪がなくなると期待されるのが肥満予防です。
また、大豆に含まれる「サポニン」には血糖上昇抑制効果があります。
(ソヤサポニンBの血糖上昇抑制効果 2006 田中 真実, 渡辺 毅, 打田 悌治, 金澤 武道, 長内 智宏, 奥村 謙 )
レシチン、サポニンを含む味噌汁を飲むことで、生活習慣病の予防になります。
具材を入れて栄養アップ!
味噌汁にはいろいろな具材を入れて楽しめます。アレンジが広がっていますね。そんな中で、おすすめの食材を紹介していきます。
豆腐
おすすめの具材は定番の『豆腐』です。
味噌は一度、発酵されているため、吸収されやすいタイプのイソフラボンが含まれています。一方、豆腐にもイソフラボンが含まれています。イソフラボンには、動脈硬化の抑制、骨を丈夫にするなどさまざまな健康効果が期待できます。
また、豆腐には、にがりの成分のマグネシウムと、栄養素のひとつであるペプチドが含まれているため、血圧の上昇を抑制効果が期待できます。
わかめ
次に『わかめ』です。
わかめには、アルギン酸と呼ばれる成分が含まれています。そして、アルギン酸に期待できる効果はコレステロールの排出です。
それに加えて、味噌に含まれる乳酸菌が腸内環境をよくすることが期待できます。さらに、わかめに含まれる食物繊維がその乳酸菌のエサとなり、腸内環境をキレイに保てます。
味噌汁とわかめの組み合わせは、乳酸菌+食物繊維のため腸内環境をきれいにできます。そのため、体に悪影響を与える悪玉菌の発生を抑制しているため、生活習慣病の予防としてもとても期待されます。
しじみ
二日酔いなどにも効果がある『しじみ』もおすすめです。
例えば、しじみは肝機能を助ける効果が期待できるタウリンやオルニチンと呼ばれる成分が豊富に含まれています。
肝臓は体の化学工場とも呼ばれ、老廃物を廃品回収などの役割をします。
しじみのお味噌汁は、体で重要な肝臓の機能を回復が期待できます。
夜に食べても、即効性が期待でき、疲労回復に効果発揮です。
さらに、-4℃に冷凍するとオルニチンを8倍にも増えるという研究結果もあります。
きれいに洗い砂抜きしたしじみをタッパーなどに入れ、ひたひたの水を加えて冷凍してから使います。
そして、あさりも美味しくて、お味噌汁の具として有名です。一方で、あさりは海水で育っているため塩分がしじみよりも多くなっています。
そのため疲労回復効果を狙い、塩分控えめがいい方はしじみ、貧血気味の方はより鉄分が豊富なあさりを使うのがおすすめです。
納豆
一度発酵されている納豆には、味噌と一緒の吸収されやすいタイプのイソフラボンが含まれています。
また、納豆は味噌との相乗効果が期待できます。
トマト
意外にも、お味噌汁にトマトは合うんです!
さらに、栄養効果も抜群に上がります。トマトの栄養成分は下からもチェックできます。
味噌で塩分とりすぎて、高血圧にならないの?
味噌で塩分とりすぎて、高血圧にならないの?
確かに塩分の摂りすぎは血圧上昇の原因です。味噌汁によって塩分の摂りすぎになるとは限りません。
例えば、血圧について、以前は「味噌汁に含まれる塩分が多いです。なので、高血圧に影響する」と考えられていました。しかし、多くの研究で「味噌汁の摂取は血圧の上昇に関与しない」ことを示ました。それにより、見直される様になりました。
味噌水摂取群では食塩摂取量が大にも関わらず血圧は低値を示し,高血圧の発症が抑制された。
味噌に含まれる各種機能性成分の解明 小野明日香・石田安理紗・上原誉志夫 2019年7月
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010928401.pdf
味噌汁に入れる具によっては、海藻や野菜に塩分を排泄効果が期待されています。その成分の代表が、カリウムやマグネシウムが含まれています。また、カリウムやマグネシウムは、血管を緩める作用を持ちます。それにより、塩分が引き起こす高血圧の発症が抑制されたことなどが考えられています。
和食全体の健康効果は一体どうなっているの?
和食のデータをまとめた記事は以下です。よろしければ、参考にしてください!
まとめ
お味噌汁には、血糖値の上昇抑制や美肌効果、効果が期待できる栄養素が含まれていることが分かりました。大豆イソフラボンやサポニンはとても有能なことがお分かりいただけたでしょうか?また発酵食品のため、さまざまな栄養が吸収が良い形に変えられることが期待できます。
おふくろの味とも呼ばれて、多くの人に親しまれているお味噌汁。そして、日本人は古くから、お味噌汁を食べてきました。味噌汁と前回紹介したご飯を一緒にとることで必須アミノ酸がバランスよく摂取できます。
伝統的な日本食で健康効果。まずは一日一杯から、毎日の味噌汁生活をはじめてみませんか。
毎日続けられる生活習慣としてお味噌汁を飲むのはいかがでしょうか?
今回は、お味噌汁の7つの健康効果と具材の健康効果についてご紹介しました。ご飯と味噌汁を紹介したので、次は日本食の健康効果についてご紹介していきます。日本食が海外で注目されている理由など紹介していくので、期待していてください!
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