いろんなことに手を出しすぎていて、少し後悔している最近のまさやです。
今はおいしいものや手軽に食べられるものがあふれています。しかし、“お腹を満たすこと”と“身体が必要としているものをとること”は違います。
食事の基本は、必要な栄養をバランスよく。それを叶えてくれるのが、日本人に最適な食事「和食」です。「和食」のついてご存じの方はどれくらいいるのでしょうか?そこで、この記事では、和食がもたらす3つの健康効果についてデータを用いて紹介していきます。筆者は大学で分子生物学を学び、ドラッグストアに就業しながら、薬・栄養の情報を12年勉強しており、月間10本以上、年間120本の論文を読んでいます。その知識・経験を踏まえて解説してきます。(最近は月間20本に増えてきました!)
ぜひ、最後まで読んでください!
和食がもたらす3つの健康効果
和食を食べる頻度によって、死亡率や健康寿命が変わってくるとは驚きです。
死亡リスクが低下
和食は、栄養バランスに優れた食事スタイルとして世界中で注目されています。特に、和食を継続的に摂取することで、生活習慣病のリスクを低下させ、健康寿命を延ばす効果が期待できます。これは、和食の特徴である低脂肪・高繊維の食事内容が、心臓病や脳卒中、がんなどのリスクを軽減するためです。
和食が死亡リスクを低下させる理由
- 栄養バランスの良さ
和食は、魚・野菜・豆類・発酵食品をバランスよく取り入れることで、体に必要な栄養素を効率よく摂取できます。 - 塩分と脂質の適切な管理
和食は、洋食に比べて脂肪が少なく、塩分の摂取量も調整しやすいため、高血圧や動脈硬化を予防する効果があります。 - 発酵食品の健康効果
味噌や漬物、納豆などの発酵食品が腸内環境を整え、免疫力を向上させることで、病気にかかりにくい体づくりをサポートします。

和食を食べると本当に健康にいいんですか?

はい、和食は栄養バランスが良く、特に魚や野菜、発酵食品を多く含むので、生活習慣病の予防につながりますよ。

具体的にどんな病気のリスクが減るんですか?

心臓病や脳卒中、糖尿病のリスクが低くなると言われています。特に魚に含まれるオメガ3脂肪酸が心血管系の健康を守るのに役立ちます。

なるほど、でも塩分が多いイメージがありますが大丈夫ですか?

確かに塩分には注意が必要ですが、出汁を使うことで塩分を控えめにしながら、旨味を楽しめますよ。

バランスよく食べることが大事なんですね!

その通りです。多様な食材を組み合わせることで、健康効果を最大限に引き出せますよ。
国立がん研究センターが行なっている研究を紹介します。45~74歳の方々のうち、食事調査アンケートに回答した男女約9万人を平成28年(2016年)まで追跡した調査結果が以下のとおりです。
日本食を食べている人は、その後約18.9年の追跡期間中に確認された死亡(全死亡、がん死亡、循環器疾患死亡、心疾患死亡、脳血管疾患死亡)がお肉中心の生活、乳製品中心の生活の人より少なかったことが示されています。
平成7年(1995年)と平成10年(1998年)に、岩手県二戸、秋田県横手、長野県佐久、沖縄県中部、東京都葛飾区、茨城県水戸、新潟県長岡、高知県中央東、長崎県上五島、沖縄県宮古、大阪府吹田の11保健所(呼称は2019年現在)管内にお住まいだった、45~74歳の方々のうち、食事調査アンケートに回答した男女約9万人を平成28年(2016年)まで追跡した調査結果にもとづいて、日本食パターンと死亡リスクとの関連を調べた結果を専門誌で論文発表しましたので紹介します。
食事調査アンケートの結果から、本研究で定義した「日本食パターン」は、先行研究で用いられていた8項目(ご飯、みそ汁、海草、漬物、緑黄色野菜、魚介類、緑茶、牛肉・豚肉)の摂取量を点数化する日本食インデックス(JDI8; 8-item Japanese Diet Index)を使用しました。日本食パターンスコアは、JDI8の7つの項目(ご飯、みそ汁、海草、漬物、緑黄色野菜、魚介類、緑茶)では、男女別に、摂取量が中央値より多い場合に各1点、牛肉・豚肉では、摂取量が中央値より少ない場合に1点として、合計0~8点で算出しました。この日本食パターンのスコアを4つのグループに分類し、その後約18.9年の追跡期間中に確認された死亡(全死亡、がん死亡、循環器疾患死亡、心疾患死亡、脳血管疾患死亡)との関連を調べました。
日本食パターンと死亡リスクとの関連について 国立がん研究センター
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/8499.html
その結果、日本食パターンのスコアが低いグループに比べて高いグループでは、全死亡のリスクは14%、循環器疾患死亡のリスクは11%、心疾患死亡のリスクは11%低かったことがわかりました(図1)。
日本食パターンと死亡リスクとの関連について 国立がん研究センター
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/8499.html

https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/8499.html
認知症になりにくい
和食は、認知症の予防にも役立つことが研究で明らかになっています。魚や野菜、大豆製品、発酵食品などをバランスよく摂取することで、脳の健康を維持し、認知機能の低下を防ぐ効果が期待できます。
和食が認知症予防に効果的な理由
- DHA・EPAの摂取
魚に含まれるDHAやEPAは、脳の神経細胞の働きをサポートし、記憶力や認知機能の維持に貢献します。 - 抗酸化作用のある食品
緑黄色野菜や発酵食品に含まれる抗酸化成分が、脳の老化を防ぎ、健康な脳の維持を助けます。 - 腸内環境の改善
発酵食品や食物繊維が腸内環境を整えることで、腸と脳の関係を強化し、脳機能の低下を防ぎます。

和食を食べると認知症になりにくいって本当ですか?

はい、本当です。魚や発酵食品、野菜をバランスよく摂ることで、脳の健康を維持しやすくなるんですよ。

具体的にどんな成分が脳に良いんですか?

魚に含まれるDHAやEPA、野菜の抗酸化成分、発酵食品の善玉菌などが、脳の老化を防ぐのに役立ちます。

へぇ、それなら毎日食べたほうがいいんですね!

そうですね。ただし、塩分を摂りすぎないように工夫しながら、バランスよく食べることが大切です。
日本人高齢者の食事パターンと認知症発症:大崎コホート 2006 研究に基づいて、遠又 靖丈さんたちがまとめた文献があります。
それによると、日本食は肉食や乳製品を食べる生活に比べて、認知症になりにくい結果が示されました。
そのように、東北大学大学院医学系研究科の 辻 一 郎教授「和食が心身の健康に及ぼす影響について」(和食と健康2020春)にでも紹介しています。

J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2016 Oct;71(10):1322-8.
doi: 10.1093/gerona/glw117. Epub 2016 Jun 29.
認知症予防と関連する食事パターン
また、認知症予防と関連する食事パターンである地中海食、マインド・ダイエット食と日本食は内容が似ています。
地中海食:オリーブオイル、全粒穀物、野菜、果物、豆、ナッツが豊富 チーズとヨーグルト、魚の摂取も多い 肉、卵、菓子は控えめ
マインド・ダイエット:葉菜類、根菜類、豆、全粒穀物、オリーブオイル 魚、鶏肉、ナッツ類、ベリー、ワインが豊富 赤身肉、バター・マーガリン、チーズ、菓子、油で揚げた食品 は控えめ
日本食:魚・野菜・海草・漬物・大豆製品・きのこ・いも・果物が豊富 肉は控えめ
心筋梗塞などの心臓に関わる病気になりにくい
和食は、心筋梗塞や高血圧などの心臓病を予防するのに役立つ食事スタイルとして注目されています。これは、魚や野菜、大豆製品を中心とした食生活が、動脈硬化の進行を防ぎ、血圧やコレステロールをコントロールする効果があるためです。
1994年の時点で糖尿病、脳卒中、心筋梗塞、または癌の病歴のない40〜79歳の40,547人の日本人男女から調査されたデータです。
7 年間の追跡期間中に、801 人の参加者が 心血管疾患 (CVD) で死亡しました。
検証済みの食品頻度アンケートに基づく因子分析 (主成分) により、3 つの食事パターンが特定されました。
(i) 大豆製品、魚、海藻、野菜、果物、緑茶と高度に相関する日本の食事パターン、
(ii) 「動物性食品」食事パターン、
(iii) 高乳製品、高果物野菜、低アルコール (DFA) の食事パターン。
その中で、日本食が一番心疾患での死亡率が低かったこと。そのことが実験の結果よりわかりました、

Taichi Shimazu 1, Shinichi Kuriyama, Atsushi Hozawa, Kaori Ohmori, Yuki Sato, Naoki Nakaya, Yoshikazu Nishino, Yoshitaka Tsubono, Ichiro Tsuji
Int J Epidemiol. 2007 Jun;36(3):600-9.
doi: 10.1093/ije/dym005. Epub 2007 Feb 22.
和食が心臓病予防に効果的な理由
- 魚に含まれるオメガ3脂肪酸
魚に多く含まれるDHA・EPAは、血液をサラサラにし、血栓を防ぐことで心臓病のリスクを減らします。 - 塩分の控えめな調理法
出汁を活用した調理により、塩分を控えながらも美味しさを損なわずに血圧管理が可能です。 - 食物繊維が豊富
野菜や豆類が豊富に含まれ、コレステロールの吸収を抑えることで、動脈硬化を防ぎます。

和食を食べると心臓の病気を防げるって本当ですか?

はい、本当です。和食には魚や野菜が多く含まれていて、血液をサラサラにする成分が豊富なんですよ。

どんな食材が特に良いんですか?

青魚に含まれるオメガ3脂肪酸や、食物繊維が豊富な野菜、大豆製品が効果的です。これらをバランスよく摂ることで心臓病予防に役立ちます。

なるほど、でも塩分が多いと逆効果ですよね?

その通りです。和食では出汁を活用することで、塩分を抑えつつ美味しく食べることができます。

バランスが大切なんですね!

そうですね。適度な運動と合わせることで、より効果的に健康を維持できますよ。
和食の5つの特徴
日本食が、自然の恵みを尊重しつつ、レシピが残ってないものも暮しの中で口伝えなど。工夫されて伝えられてきました。海外の食材や料理を上手に取り入れて、1つの文化を変化に対応しながら育まれているのです。
和食の文化として評価され、平成25年12月に「和食;日本人の伝統的な食文化」としてユネスコ無形文化遺産に登録されました。

多様で新鮮な食材と素材の味わいを活用
日本は南北に細長く、里などは海や山に囲まれ、自然が豊かです。そのため、各地域ごとに地域に根差した風土豊かな多様な食材が用いられています。そして、素材の味わいを活かしているのが「郷土食」または「郷土料理」と呼ばれる各土地ならではの、伝統的食材や伝統料理です。また、郷土料理を作るときには、各土地の調理技術・調理道具が使用されてしています。
和食は、四季折々の新鮮な食材を活かし、素材本来の味わいを大切にすることが特徴です。旬の食材を使用することで、栄養価が高く、健康にも良いとされています。和食は、魚介類、野菜、豆類、海藻など多様な食材をバランスよく取り入れることで、栄養の偏りを防ぎます。
多様で新鮮な食材を活かし、素材の味わいを最大限に生かす調理法を特徴としています。旬の食材を使用することで、栄養価の高い食事を摂ることができ、健康維持に大いに貢献します。毎日の食事に和食を取り入れ、バランスの取れた食生活を心掛けましょう。
旬を大切にする
日本は、四季の変化が富んでます。そのため、日本の四季は、春・夏・秋・冬とはっきりしているのが特徴的です。そのため、良くも悪くも日本は、食材が季節ごとにしか味わえません。そのような食材が「旬の食材」です。
1年で、よくとれる時期・もっともおいしい季節が食材にはあります。これが「旬」です。
旬の食材は、栄養価が高く、味も良いです。さらには、たくさん取れて、たくさん出回っています。そのため、その季節には価格が安くなります。
最近は食品の流通が発達して、ビニールハウスを利用して栽培して、一年中、食材が取れるように工夫しています。
また、外国から輸入された食品が、1年中出回っているものもあります。
また特に秋は、米などの穀物や果物などが豊かに実るため、「実りの秋」、「収穫の秋」といわれます。
バランスがよく、健康的な食生活
日本食では一汁三菜と言って、ご飯・お汁・おかずが3品(主菜、副菜2品)が基本となっています。その日本の一汁三菜の食事スタイルは理想的な栄養バランスと言われています。また、日本食は、「うま味」を含んでいるお出汁を上手に使うに料理に取り入れているのです。
それによって動物性油脂の少ない食生活が営め、日本人の長寿、肥満防止に貢献しています。
自然の美しさの表現
日本人は、おもてなしの席には季節の花をかざったりしています。それにより、旬の食卓を彩る工夫をしていました。こうして移りゆく季節を楽しむのも和食の大きな特徴です。
日本料理は、調理や盛り付けに5つの色を大切にします。
日本食の特徴の一つは、料理を盛り付ける器で自然の美しさや四季の移り変わりを表現することです。季節の花や葉などを料理や盛り付けに加えて季節感を楽しみます。
日本料理は五感(「視覚」・「聴覚」・「嗅覚」・「触覚」・「味覚」)を使って、美味しさを倍増させています。
味だけを追求しているものは日本料理ではありません。日本料理が追求しているのは、視覚の見た目の美味しさ。さらには、聴覚による自然界の音や食材を噛んだ音までもです。また、期待感や美味しさを感じさせます。さらに、香りによって季節を感じます。そして、口に入れ、噛んだ触感で美味しさを感じます。そのようにして、料理を食してを美味しい料理を味わいます。日本料理の美味しさは、五感を駆使して味わいを感じるのです。
日本料理は、作り手が食べる人のことを考え、料理を創りあげています。料理を創るとは、日本の「おもてなし」と言えるのです。
年中行事との関わり
例えば、自然の中に神様を感じ、神様に豊作や大漁を祈ります。また、収穫のよろこびと感謝を表すために、季節の節目に祭りを開催します。さらには、神輿を担いだり、綱引きをしたり、音楽を奏でて踊ったりするお祭りもあります。そして、今も各地域に根付いて、盛大に祝う祭り残っているのです。そのため、食事を一緒にすることで、家族や地域の絆が自然の恵みである 「食」を分け合うことで、結びつきが強くなるのです。
和食といえば何を想像しますか?
和食は、副菜は野菜、海藻などの各種ビタミン、ミネラル、食物繊維を含む食材を中心。主菜に肉・魚などのたんぱく質中心にします。そうすると、バランスの良い食事が取れます。
これから、和食で中でも代表的なごはん・お味噌汁・納豆・緑茶の健康効果ついて説明していきます。
ごはん
日本食で欠かせないのは、もちろん、白いごはんです。
最近は、健康食ブームもあり、白米ではなく、白米より高い栄養価が期待されています。例えば、玄米、発芽玄米、雑穀米を食べる方も増えています。
一方で、糖質ダイエットでお米を食べていないも増えています。しかし、カラダにいいので、月1~2回は食べるべきだと思います。詳しくは以下のページに載っています。

味噌汁
日本食のお汁の定番といえば、お味噌汁。もしくは、お吸い物です。
前回紹介したこともありますが、味噌汁には、さまざまな効果が期待できます。
特に注目すべきは、抗酸化作用と美白効果です。
気になる人は、以下のページからご確認お願いします。

納豆
納豆は和食を代表するおかずの1つです。大豆を納豆菌で発酵させて作られます。
良質なたんぱく質と鉄分、食物繊維が豊富です。発酵によって、大豆よりも納豆菌の効果を受けます。それにより、たんぱく質などの消化吸収の効率が良いアミノ酸に変換されています。
納豆の栄養の詳しい内容は以下のページです。

緑茶
緑茶を飲む回数が多い人ほど・・・・
心筋梗塞・脳血管疾患の死亡率が低い 肺炎の死亡率が低い
要介護・認知症の発生率が低い
残存歯数が多い、骨密度が高い
不安・抑うつ症状が少ないという研究も発表されています。

まとめ
和食には、死亡率を下げたり、認知症になりにくくなったりなどのいろんな効果が期待できます。
世界無形文化遺産に日本食が登録されていることは知りませんでした。
和食の健康効果はもちろん素晴らしいです。さらに、和食を引き継いでいる人の精神や、食への考え方や取り組みも良い影響を与えていることが分かりました。
私自身も、和食を見直すきっかけになりました。
今回は、和食がもたらす3つの健康効果をデータを用いて紹介しました。寒暖差が激しくなってきたので、発酵食品の代表であるヨーグルトの健康効果についてご紹介していきます。ヨーグルトで腸活して免疫アップが期待できるかも?
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