最近、ヨガを始めて、体が硬すぎることに気づいた、まさやです。
秋になって、田舎の方では、いちじくを見かけることが多くなりました。
いちじくは『不老長寿の果物』ともいわれるほど、健康や美容への効果が期待できます。
しかし、いちじくは、ミカンやブドウほど有名な果物ではないです。そこで、今回、紹介するのは、いちじくです。
大学で分子生物学を学び、ドラッグストアに就業しながら、薬・栄養の情報を12年勉強しており、月間10本以上、年間120本の論文を読んでいる筆者が解説していきます。この記事では、いちじくに期待する9つの健康効果!ドライと生の栄養を比較してみた結果を紹介していきます。その知識・経験を踏まえて解説してきます。(最近は月間20本に増えてきました!)
ぜひ、最後まで読んでください!
いちじくに期待する9つの健康効果
いちじくの栄養には女性ホルモンを整える成分が含まれております。なので、女性特有の病気や不調を改善する効果があります。ドライフルーツの中で女性に一番人気がある「いちじく」です。女性ホルモンを調節するだけではなく、他にも栄養が豊富です。いちじくに期待できる健康効果をご紹介します。
便秘や下痢・腸内環境を改善
いちじくに含まれるのは、水溶性食物繊維の一つのペクチン栄養成分です。ペクチンには、腸内環境を整える働きがあります。
ですので、便秘、腹痛、下痢などの腸内の不調を予防、改善します。
便秘を伴う過敏性腸症候群 (IBS-C) の患者150人を対象とした研究では、乾燥イチジクを約4個(45グラム)1日2回摂取した患者では、対照群と比較して、痛み・腹部膨満感・便秘などの症状が有意に軽減されました。
Comparison and Assessment of Flixweed and Fig Effects on Irritable Bowel Syndrome with Predominant Constipation: A Single-Blind Randomized Clinical Trial
Makan Pourmasoumi 1, Reza Ghiasvand 2, Leila Darvishi 1, Amir Hadi 1, Nimah Bahreini 1, Ziyaaddin Keshavarzpour 3
Explore (NY). 2019 May-Jun;15(3):198-205.
doi: 10.1016/j.explore.2018.09.003. Epub 2018 Sep 11.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30318190/
80人を対象とした同様の研究では、8週間毎日約10オンス(300グラム)のイチジクの実ペーストを摂取すると、対照群と比較して便秘が有意に減少することが明らかになりました。
Randomized, double-blind, placebo-controlled trial of Ficus carica paste for the management of functional constipation
Hyang-Im Baek, Ki-Chan Ha, Hye-Mi Kim, Eun-Kyung Choi, Eun-Ock Park, Byung-Hyun Park, Hye Jeong Yang, Min Jung Kim, Hee Joo Kang , Soo-Wan Cha
Asia Pac J Clin Nutr. 2016;25(3):487-96.
doi: 10.6133/apjcn.092015.06.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27440682/
ヨーグルトと合わせると、相乗効果が期待できます。ヨーグルトの健康効果については、以下にまとめてあります。
むくみを解消する
いちじくには、カリウムという成分が含まれています。カリウムは、ミネラルの一種です。体に塩分がたまるとむくみや高血圧になります。体に余計な塩分や水分が溜まると、カリウムは体の塩分を排出してくれる働きがあります。
アンチエイジング
いちじく含まれるアントシアニンという栄養にはアンチエイジングが期待できます。アントシアニンは、老化の原因となる活性酸素を除去するポリフェノールという成分の一種です。シミやシワの原因となるメラニン色素の発生を抑える効能があります。なので、シミやしわを予防します。また、視力回復などの目の働きを良くする効果も期待されています。
いちじくにはアントシアニンのひとつシアニジン‐3‐ラムノシドが含まれており、高い抗酸化力を持っています。活性酸素による肌細胞(NIH-3T3線維芽細胞)のダメージを抑制するはたらきを持つことが知られています。
Protection of fibroblasts (NIH-3T3) against oxidative damage by cyanidin-3-rhamnoglucoside isolated from fig fruits (Ficus carica L.)
Anat Solomon 1, Sara Golubowicz, Zeev Yablowicz, Margalit Bergman, Shlomo Grossman, Arie Altman, Zohar Kerem, Moshe A Flaishman
J Agric Food Chem. 2010 Jun 9;58(11):6660-5.
doi: 10.1021/jf100122a.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20443626
いちじくにはアントシアニンをはじめとするポリフェノールが含まれています。主成分はシアニジン‐3‐ラムノシドで、いちじくの持つ抗酸化力に大きく寄与しています。
Antioxidant activities and anthocyanin content of fresh fruits of common fig (Ficus carica L.)
Anat Solomon 1, Sara Golubowicz, Zeev Yablowicz, Shlomo Grossman, Margalit Bergman, Hugo E Gottlieb, Arie Altman, Zohar Kerem, Moshe A Flaishman
J Agric Food Chem. 2006 Oct 4;54(20):7717-23.
doi: 10.1021/jf060497h.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17002444
ポリフェノールには老化の原因となる活性酸素を除去する働きがありますのでアンチエイジング(老化防止)の効果があります。また、糖尿病の予防にも効果があります。
女性ホルモンのバランス調整
いちじくの身の中のつぶつぶに多く含まれている栄養素はエストロゲンという成分です。
エストロゲンは女性ホルモンと同じ働きをするものです。なので、女性ホルモンのバランスを調整します。例えば、月経前症候群(PMS)や生理痛の軽減、不妊、更年期障害を和らげる効果が期待されています。さらに、エストロゲンには、コラーゲンの再生能力を高めます。なので、美肌にも効果があります。
胃もたれを防止する
いちじくを切ったときに出てくる白い液体の乳汁には、フィシンという栄養が多く含まれます。フィシンは、タンパク質分解酵素の一種です。肉や魚などのタンパク質を分解します。タンパク質を分解して、アミノ酸に変換します。なので、体内の消化を促進する効果があるのです。消化を助けることにより、胃もたれを予防することが期待されます。
また、同様にタンパク質を分解して、アミノ酸にする酵素が含まれている秋が旬の果物は、梨です。梨の健康効果は以下にまとめましたので、参考にしてください。

ダイエット効果に期待
いちじくの栄養の一つアミラーゼという酵素が含まれています。アミラーゼは、ご飯などの炭水化物という成分を分解してブドウ糖にします。炭水化物の消化を促進するのです。ブドウ糖はエネルギーへの変換効率が良いです。なので、代謝を高める作用がありますのでダイエットの助けも期待できます。
また、同じように酵素のアミラーゼの作用が期待できるのが甘酒です。
詳しい説明は以下の記事を参考にしてください。
また、血糖値の上昇を緩やかにすることが期待されています。
血糖値の管理に役立つ1998年の1型糖尿病患者10人から得られた古い研究によると、朝食にイチジクの葉のお茶を飲むことで、インスリンの必要量が減少したとう結果が出ています。イチジクの葉茶を摂取した月は、インシュリンの量は約12%減少しました。
Hypoglycemic action of an oral fig-leaf decoction in type-I diabetic patients
A Serraclara 1, F Hawkins, C Pérez, E Domínguez, J E Campillo, M D Torres
Diabetes Res Clin Pract. 1998 Jan;39(1):19-22.
doi: 10.1016/s0168-8227(97)00112-5.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/9597370/
さらに最近の研究では、高用量のイチジク果実エキスを含む飲料は、イチジク果実エキスを含まない飲料よりもグリセミック指数 (GI) が低く、このことはこれらの飲料が血糖値に対してより好ましい効果を持つことを意味しています。
Abscisic Acid Standardized Fig ( Ficus carica) Extracts Ameliorate Postprandial Glycemic and Insulinemic Responses in Healthy Adults
Fiona S Atkinson 1, Agusti Villar 2, Anna Mulà 2, Andrea Zangara 3 4, Ester Risco 2, Carsten R Smidt 5, Raquel Hontecillas 6, Andrew Leber 6, Josep Bassaganya-Riera 6
Nutrients. 2019 Jul 31;11(8):1757.
doi: 10.3390/nu11081757.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31370154/
美肌効果
いちじくに含まれるザクロエラグ酸という成分はポリフェノールの一種です。いちじくの栄養にはザクロエラグ酸の他にもポリフェノールが含まれています。ポリフェノールには、シミ・シワの原因をできなくする効果が期待できます。そのため、ザクロエラグ酸を含めたポリフェノール類には、シミやシワを予防して美白効果が期待できます。
また、以下の論文より、肌に良いことが示されています。
皮膚炎の小児45人を対象にした1件の研究では、乾燥イチジクの果実エキスから作られたクリームを1日2回、2週間塗布すると、標準治療であるヒドロコルチゾンクリームよりも皮膚炎の症状の治療に効果的であることが示されました。 (参考)
さらにイチジクエキスを含む果実エキスの配合は、皮膚細胞に抗酸化作用を示し、コラーゲン分解を減少させ、しわを改善することが実験および動物実験で示されました。 (参考)
貧血・冷え性の改善
いちじくには、鉄分が含まれています。鉄分は女性に不足しやすい成分です。鉄分を補給することで、貧血(鉄欠乏性貧血)の予防や改善効果が期待されます。
骨や歯の強化
いちじくには、意外にも、カルシウムが含まれます。カルシウムの働きは骨や歯を生成し強くしたり、守ったりすることです。いちじくに含まれるカルシウム量は、果実類の中で上位に入るほどです。
ドライいちじくとの栄養を比較
ドライいちじくと生のいちじくの栄養を比較した結果が下記の表の通りです。乾燥させると、栄養素が凝縮されます。それにより、生のいちじくよりも栄養価が高いです。
100gあたりの食品成分/食品 | いちじく/生 | ドライいちじく |
エネルギー(kcal 100gあたり) | 57 | 272 |
水分 (g) | 84.6 | 18 |
たんぱく質 (g) | 0.6 | 3 |
脂質 (g) | 0.1 | 1.1 |
炭水化物 (g) | 14.3 | 75.3 |
食塩相当量 (g) | 0 | 0.2 |
カリウム (mg) | 170 | 840 |
カルシウム (mg) | 26 | 190 |
マグネシウム (mg) | 14 | 67 |
リン (mg) | 16 | 75 |
鉄 (mg) | 0.3 | 1.7 |
亜鉛 (mg) | 0.2 | 0.6 |
βーカロテン (μg) | 15 | 34 |
βークリプトキサンチン(μg) | 6 | 25 |
ビタミンB1 (mg) | 0.03 | 0.1 |
ビタミンB2 (mg) | 0.03 | 0.06 |
ビタミンC (mg) | 2 | 0 |
水溶性食物繊維 (g) | 0.7 | 3.4 |
不溶性食物繊維 (g) | 1.2 | 7.3 |
食物繊維総量 (g) | 1.9 | 10.7 |
新鮮でおいしいいちじくの選び方
いちじくは、2~3日で傷んでしまうほどです。傷みやすく鮮度も落ちやすいです。なぜなら、熟したものは、底の部分が割れていて、果肉がやわらかいからです。
そこで、新鮮でおいしいいちじくを見分け方をご紹介します。
ポイントは以下の3つです。
皮にハリがある
皮にハリがあるものを選びましょう。鮮度がよいのは、シワがないもの。切り口が新しくて乾燥していないものです。
お尻に丸みがある
いちじく特有のお尻が丸いものを選びましょう。また、切り口のつけ根まで緑から紫色に色づいているもの。それは、おいしい証拠かもしれないです。

底に裂け目がある
いちじくの完熟の印は、裂け目と色です。底に割れ目ができたころです。また、熟しすぎている裂け目が大きくなっています。

まとめ
いちじくの栄養に含まれた豊富で健康効果も期待できることは、おわかりになりましたか?女性には、エストロゲンなど女性ホルモンの乱れを整えてくれることが魅力的ですね。
また、ドライいちじくは、生よりも栄養価がが高いですね。ドライいちじくは一年中食べられるのも魅力です。季節や状況などによって、生とドライを食べ分けましょう。一年に数回は、いちじくを食べてください。ヨーグルトと合えると、相乗効果が期待できるだけではなく、美味しいですよ!
今回は、いちじくに期待できる9つの健康効果を紹介しました。次回は、今が旬のザクロの健康効果について紹介していきます。期待していてください。
コメント
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[…] 貧血予防が期待できる果物は、いちじくです。いちじくの健康効果について、まとめた記事を以下に載せておきます。 […]