モンブラン、栗まんじゅう、栗きんとんを食べ過ぎている、まさやです。
秋といえば、栗。栗といえば、モンブラン、栗ご飯など、美味しいものがいっぱいです。
大学で分子生物学を学び、ドラッグストアに就業しながら、薬・栄養の情報を12年勉強しており、月間10本以上、年間120本の論文を読んでいる筆者が解説していきます。この記事では、栗に期待できる健康効果6選を紹介していきます。その知識・経験を踏まえて解説してきます。(最近は月間20本に増えてきました!)
ぜひ、最後まで読んでください!
栗に期待できる6つの健康効果

https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1910/pdf/aff1910_all.pdf
食品成分/食品 | 日本ぐり/ゆで |
エネルギー kcal (100gあたり) | 152 |
水分g (100gあたり) | 58.4 |
たんぱく質g (100gあたり) | 3.5 |
脂質g (100gあたり) | 0.6 |
炭水化物g (100gあたり) | 36.7 |
カリウム mg (100gあたり) | 460 |
ビタミンC mg (100gあたり) | 26 |
葉酸μg (100gあたり) | 76 |
食物繊維総量g (100gあたり) | 6.6 |
美肌効果
ビタミンCは水溶性ビタミンの1つで、抗酸化作用があります。シミやシワの原因となる成分の作用を抑制することが期待されています。栗にも100gあたり26㎎のビタミンCが含まれています。ニキビや肌荒れなどのトラブルを抱えている人、健康にも美容にもおすすめの食材です。
成人の場合、ビタミンCの摂取量の目安は、1日あたり100㎎程度が理想です。
便秘解消・腸内環境を整える
栗は100gあたり6.6gの食物繊維を含んでいます。食物繊維は消化や吸収されません。なぜなら、食物繊維は消化酵素で分解されないからです。
食物繊維の種類には、水に溶ける海藻などの水溶性と、そのまま消化吸収されない不要性があります。栗に多く含まれているのは不溶性食物繊維です。消化吸収されず、腸内にある老廃物の排出をサポートします。そのため、便秘解消や腸内の老廃物の排出におすすめです。
また、渋皮に含まれるタンニンという成分も、腸に良い影響を与えることが2010、2011年の研究から示されています。
ヒツジに、くりタンニンおよびココナッツ油状物を60日間摂取させたところ、悪玉菌の産生物であるメタン排出量が減少し、メタンを生成する悪玉菌も減少しました。胃液中のアンモニア量も減少したことから、ピロリ菌を阻害したことが考えられました。くりは腸内環境を整え、胃内のピロリ菌などの有害菌の発育を阻害する効果があると期待されています。
Effects of chestnut tannins and coconut oil on growth performance, methane emission, ruminal fermentation, and microbial populations in sheep
H Liu 1, V Vaddella, D Zhou
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22118094
モルモットの回腸および結腸組織に、くりタンニンを含む栗幹抽出物を投与したところ、抗けいれん作用が確認されたため、くりがけいれん性下痢予防効果を持つことが示唆されました。
Stop Fitan: antispasmodic effect of natural extract of chestnut wood in guinea pig ileum and proximal colon smooth muscle
Roberta Budriesi 1, Pierfranco Ioan, Matteo Micucci, Ermanno Micucci, Vittorio Limongelli, Alberto Chiarini
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20626243
新しい血を造る
葉酸は、新しい赤血球を作ったりDNAの合成に必要なビタミンです。胎児の成長に大切な栄養素なので、特に妊婦さんや妊娠を計画している女性は意識して摂取しましょう。
また最近では、妊婦さんに限らず、葉酸は健康効果の高い栄養として期待されています。一例を挙げると、葉酸には、動脈硬化の予防効果を期待した研究が進められています。
日本人における葉酸は18歳以上の男女ともに240㎍が1日の摂取推奨量です。100gにつき76㎍であることを考えると、栗だけで毎日必要な分の葉酸を摂るのは大変です。栗100gを一般的な日本栗で5〜6個として考えると、15~18個必要です。
日々の食生活の中で足りない部分を補ったり、サプリメント代わりの食材として利用をおすすめします。
疲労回復
栗には、体内に入るとブドウ糖になるデンプンが含まれています。ブドウ糖は摂取すると、少量でも血糖値がアップします。そして、脳の空腹感を解消してくれます。
栗を間食として食べる場合には、200kcal以内に抑えるのが理想です。よって、5〜6粒までを目安にすると良いでしょう。
ゆで栗のカロリーの目安は100 gあたり152カロリーです。大きめの栗1粒では、重さ約20gだとすると、1粒あたり30キロカロリーになります。
また、栗には食物繊維が多いので腹持ちが良いです。なので、空腹を感じたときにはおすすめです。
疲労回復が期待される果物はブドウです。ぶどうの健康効果については、以下の記事を参考にしてください。

むくみ解消
栗には、カリウムが豊富に含まれています。カリウムには、体内の老廃物や余計な水分を排出します。
高血圧の原因の1つとして、塩分の過剰摂取が挙げられます。塩分は、カリウムをしっかりとることで、体内の余分な塩分を排出することが期待できます。よって、血圧の上昇を予防する手助けになるのです。
むくみ対策の栄養として、有名です。塩分をとりすぎたときや、立ち仕事による足のむくみなどになやんでいる場合にカリウムを多く含んでいる果物を食べることをおすすめします。
秋が旬の果物ではカリウムが豊富なものとして、梨がおすすめです。

生活習慣病の予防
肥満とは、体の脂肪細胞が過剰になっている状態のことをいいます。消費するエネルギーよりも食物から摂取したエネルギーの方が多い場合、消費されなかったエネルギーが脂肪として蓄えられます。その結果、代謝が悪くなり、生活習慣病などが引き起こされます。
くりに含まれる食物繊維には腸に余分なものを残さないよう便通を整える働きがあるため、肥満の予防に効果的です。
離乳中の子豚において、くり幹より抽出したくりタンニンを摂取させたところ、腸内の悪玉菌の産生物質アンモニア、イソ-酪酸、イソバレリック酸の濃度が低下しました。また空腸内のタンニンが増加するとともに、乳酸菌も増加する傾向が見られました。くりタンニンには腸内環境を整え、乳酸菌を増やす効果が示唆されました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20481351
柿にもタンニンが含まれています。詳しくは以下のページを参考にしてください。

食べ過ぎ注意
消化器官の乱れや便通異常
一気に摂取すると、食物繊維の多いため、胃もたれや胃痛を引き起こしやすいです。
また、水溶性食物繊維とのバランスが悪いと急なカサ増しによる便秘や下痢になることも。
栗を食べる際には一度に大量に食べるのではなく、1日10粒程度(約200g弱)を目安としてください。少しずつ毎日食べるのがおすすめですよ。
1日の摂取量の目安
1日の摂取量の目安は、10粒程度です。子どもであれば5個程度が目安となります。栄養が多く、頻度を上げて、食べれば体にも良い栗です。そのため、食べ過ぎは避けたいです。
まとめ
栗は、栄養が豊富で脂質が少なく、エネルギー変換が効率的なため、とても魅力的です。
また、ビタミン群・特にビタミンC、カリウム、食物繊維の含有量が高いのが特徴です。食事に上手く取り入れて、健康で美味しい食生活を楽しみたいですね。
栗には、むくみ予防や便秘の改善、肌の調子を整えるといったことが期待できます。その作用に効果的な栄養成分が豊富に含まれているからです。
今回は、栗に期待できる6つの健康効果を紹介しました。次回は。今が旬のいちじくの健康効果について紹介していきます。期待していてください。
コメント
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[…] 生活習慣病の予防が期待できる秋の食材は栗です。栗の健康効果についてまとめた記事を以下に載せておきます。 […]