やりたいことをやりすぎて、疲れが溜まっている、やさまです。
最近、気になっているのが、「飲む点滴」と甘酒です。甘酒は、疲れた時の疲労回復や栄養補給に役立つだけでなく、免疫力アップさせる効果も期待されています。なぜなら、丈夫な体作りをしてくれる機能が注目されているからです。
そこで、この記事では、甘酒がもたらす6つ健康効果!おすすめの飲み方もご紹介します。筆者は大学で分子生物学を学び、ドラッグストアに就業しながら、薬・栄養の情報を12年勉強しており、月間10本以上、年間120本の論文を読んでいます。その知識・経験を踏まえて解説してきます。(最近は月間20本に増えてきました!)
ぜひ、最後まで読んでください!
甘酒に期待できる6つの健康効果
話題になったりしているけど、甘酒って何が良いの?
という方のために、まずは甘酒に期待できる6つの健康効果に解いてご紹介します。
体調の変化や、健康への不安を抱えているときにも強い味方になってくれる甘酒の成分とはどんなものなのでしょうか。
免疫力向上
善玉菌のえさになるこうじ菌が免疫力を高めてくれるので、疲れを感じるときや風邪を予防したいときにおすすめです。
免疫向上の例
また、自然免疫という生まれつき備わっている免疫反応のみしか持たないカイコという虫を対象とした実験を紹介します。
自然免疫という生まれつき備わっている免疫反応は、ウイルスや細菌などの病原体の侵入を速やかに排除します。
獲得免疫は、「予防接種」などで、生まれた後に獲得される免疫反応です。生まれつき備わっている免疫反応だけでは対応できない病原体(新型コロナのような)に対して対応できるようにします。
カイコは見た目とは裏腹にヒトに似て、ヒトの主たる臓器に相当する器官・組織を備えています。そこで、甘酒の主原料である酒粕と米麹による自然免疫の獲得について、株式会社ゲノム創薬研究所のカイコを用いた評価系で検証しました。
カイコは獲得免疫がなく自然免疫に依存しているため、自然免疫の評価に最適です。カイコもヒトの主たる臓器に相当する器官・組織を備えています。そこで、甘酒の主原料である酒粕と米麹による自然免疫の獲得について、株式会社ゲノム創薬研究所のカイコを用いた評価系で検証しました。カイコに、酒粕と米麹の混合調製液を投与し、筋肉の収縮の度合から自然免疫の活性化効果を測定しました。
https://www.morinaga.co.jp/company/healthcare/amazake.html#:~:text=%E5%81%A5%E5%BA%B7%E6%A9%9F%E8%83%BD%E3%81%AE%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%88%90%E6%9E%9C%E7%94%98%E9%85%92 森永製菓

その結果、酒粕と米こうじの混合調製液投与群は、緑茶抽出液投与群に比べ、約3倍と高い数値を示しました。
以上のことから、甘酒の主原料である酒粕と米こうじを摂取することで、生まれつき備わっている自然免疫機能を有効に利用できるようになる効果が示されました。
免疫低下しすぎると危険です。免疫が低下するだけで、発症する病気をまとめたので参考にしてくださいね。

疲労回復
甘酒には疲労回復の効果が期待できます。脳にとって大切なエネルギー源がブドウ糖です。甘酒に含まれている栄養成分の中で、約20%はブドウ糖といわれています。ブドウ糖が不足すると、脳はエネルギーがなくなります。そうすると、集中力が欠けたり、やる気が出なくなったりします。
米こうじが出すアミラーゼという酵素の働きで、甘酒に含まれるデンプンがブドウ糖に分解されます。そして、デンプンから変化したブドウ糖は吸収されやすく、効率よくエネルギーとして使用されていきます。
ブドウ糖を多く含む食品にはぶどうがあります。ぶどうの栄養ついてはこちらを参考にしてください。

腸内環境を改善
また、含まれている食物繊維が腸内細菌のエサになって、体に良い働きをする善玉菌を増やします。
善玉菌は、悪玉菌の増殖抑制、病原菌等の感染防御や免疫機能の調節、消化吸収を助けるなどの働きがあるため、善玉菌を増やして腸の環境を整え、からだの健康を保つ“腸活”に注目が集まっています。
マウスに、甘酒の原料である酒粕と米麹を配合した餌を4週間摂取させ、糞便中の腸内細菌叢を測定しました。
その結果、酒粕と米麹を配合した試験餌を与えた群では、酒粕も米麹も含まない餌を与えたコントロール群と比べ、ラクトバシラス目の割合が増加しました。
また、これまでの研究で、酒粕と米麹の同時摂取によるバリア機能を持つムチン量の増加を確認していることから、酒粕と米麹を使用した甘酒は、腸内での乳酸菌の増殖を促し、腸内環境を良好にする可能性を持つことが示唆されました。
S. Kawakami et. al., Nutrients. 12(2), pil:E449 (2020)

美肌効果
また、シミやくすみの原因となるメラニンと呼ばれるの過剰生成と言われています。甘酒には日本で発見された美白有効成分であるコウジ酸も含まれます。1994 年の三嶋 豊さん達の「コウジ酸のメラニン生成抑制作用と各種色素沈着症に対する治療効果」研究から分かったことです。コウジ酸に期待されている働きは、メラニンの生成を抑制する効果です。
メラニンの生成を抑えることで、元の肌色へと戻していくことが期待されます。
ダイエット
甘酒に含まれるブドウ糖と呼ばれる成分が入っているので、腹が空いたときや食前に甘酒を飲めば満足感が感じられます。また、食べる順番を変えるだけで、ダイエットになる食べる順番ダイエットも参考にしてくださいね。

アンチエイジング
甘酒には、高い抗酸化作用を持つエルゴチオネインという成分が含まれています。このエルゴチオネインは、ビタミンCよりも優れているとの声も上がっているほどです。
抗酸化作用は、老化の原因になる活性酸素を抑制してくれます。そして、老化防止だけではなく、生活習慣病の高血圧や動脈硬化などにも効果的です。
甘酒のおすすめの飲み方
甘酒を1度に大量に飲んでも効果はありません。
毎日、甘酒を少しずつ飲むことで、美容や健康への効果が期待できるのです。
毎日飲むことで健康や美容に必要な腸内環境が維持されます。
1度や2度飲んでも、腸内環境への変化は表れません。
飲み過ぎにも注意しましょう。甘酒のカロリーは100gあたり81calです。量として、1日コップ1杯が目安です。これから、おすすめの飲み方を紹介していきます。
定番のホット
温めるときは、人肌程度になるよう気をつけて温めましょう。
ソーダ割り
炭酸水で割ると、甘酒独特の甘さがなくなり、スッキリした甘さになります。
ヨーグルトに混ぜる
コップ1杯の甘酒に大さじ1杯の無糖ヨーグルトをプラスするといったアレンジもお勧めです。動物性の発酵食品を組み合わせることで甘酒だけでは不足しがちな脂質を補ったり、たんぱく質をさらに増やしたりすることが可能になります。ヨーグルトの健康効果まとめましたので参考にしてくださいね。
トマトジュースに混ぜる
トマトに含まれる栄養成分と甘酒の相乗効果が期待できます。
甘くて飲みづらいトマトジュースが、市販の野菜ジュースのように飲みやすくなります。
トマトの栄養についてもまとめましたので、も参考にしてくださいね。

飲む時間帯

甘酒を飲むときに朝と夜どちらが良いのかしら?

量さえ間違わなければ朝・夜いつ飲んでも構いません。

ダイエット目的なら、朝飲んだ方がいいです。なぜなら、エネルギーへの変換効率が良くなるからです。
美肌や疲労回復を目的に飲むのなら夜飲むことをおすすめします。
朝
1日のどのタイミングで摂取しても効果的な甘酒ですが、ダイエットなどで代謝をあげたい人におすすめは朝です。その1日中、代謝を高く保てるのでより効果的です。
また、「毎日決まった時間に飲んで習慣化したい・・・」という方にもオススメします。なぜなら、朝は身支度などで忙しいからです。限られた時間でエネルギー補充が可能です。
夜
安眠効果にも期待ができるので、甘酒は夜に飲むのもおすすめです。また、疲れをとりたい
・ストレスを緩和したい・寝つきが悪い場合も眠りやすくなるので、夜がいいでしょう。
すっきり眠りたい方は、夜の甘酒を試してみてください。
こうじ甘酒と酒粕甘酒で何が違うの?
実は、甘酒には2種類の原材料があることはご存じでしたか?
代表的な甘酒はこうじ甘酒と酒粕甘酒の2種類です。2種類では、原材料や作り方が異なります。こうじ甘酒の原材料は米こうじで、ノンアルコールが特徴です。一方、酒粕甘酒の原材料である酒粕は、酒の搾りカスです。一度、アルコール発酵させているため、アルコールが含まれています。スーパーなどでも、2種類で売り場が分かれていたりします。
これから説明していくので、甘酒を選ぶときの参考にしてください。
米こうじの甘酒
こうじ菌が繁殖するときに多くの酵素が分泌されます。その酵素によって米に含まれるデンプンが分解されます。そのときに脳や体のエネルギー源となるブドウ糖などに変化します。ブドウ糖は点滴に含まれています。点滴に欠かせない成分の一つであることから、米こうじ甘酒が「飲む点滴」と呼ばれるようになったという説もあります。
酒粕の甘酒
酒米を醸造させて日本酒を作るときにできた‟副産物”が酒粕です。酒粕はもろみを搾った後に残る白色の固形物です。板状や練り状などさまざまな形状でスーパーなどでも販売されています。
酒粕甘酒はこの酒粕を溶かし、砂糖などの甘味を足して作られたものです。甘味を足りない理由を説明します。もろみを搾った後の酒粕には、お酒に糖質が流出しているため、糖質があまり含まれていないからです。
酒粕のアルコールに注意
日本酒を造るときに酒粕は、こうじ菌と酵母菌の2種類の菌を発酵させています。そのため米こうじだけの米こうじ甘酒より食物繊維やビタミンB群、たんぱく質などの栄養価が高いのがメリットです。
ただし、甘酒にした場合でも酒粕の10%強アルコール成分が残ってしまいます。煮沸してアルコール分を飛ばしても、ごくわずかな量でも残ってしまうほどです。
妊娠中や授乳中、お子様やアルコールに弱い方には注意が必要です。
まとめ
甘酒は腸内環境を良くしてくれるだけではなく、免疫力の強化、疲労回復といった健康面での効果に限らず、ダイエットや美白など美容効果も期待できます。
メリットだらけの甘酒を効果的に飲むためにも、1日に飲む量をしっかりと守り、毎日続けて飲めるよう工夫してみてください。
今回は、甘酒がもたらす6つ健康効果!おすすめの飲み方もご紹介しました。次回は、秋が旬で「柿が赤くなると、医者が青くなる」ということわざがある、柿について紹介していきます。期待していてください。
コメント
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[…] 他にも、甘酒には疲労回復効果が期待できます。甘酒の健康効果については、以下の記事を参照してください。 […]